「世界祈祷週間」は、アメリカ南部バプテストのロティ・ムーン宣教師を記念して始められた。彼女は1873年、33歳の時から70歳で召されるまで37年間、中国での福音宣教に励んだ。彼女は「中国の人々の救いのために祈ってほしい、中国の人々の暮らしのために献金してほしい、中国に更なる宣教師を送ってほしい。」との願いを南部バプテストの女性たちに伝え、それに応えるかたちで、「ロティ・ムーン・クリスマス献金」の活動がなされた。その信仰を受け継ぎ、日本では1931年から世界祈祷週間が開始された。諸教会の女性会は祈りと献金を推進し、女性連合が日本バプテスト連盟と一緒に取り組んでいる国内外における伝道活動のために献げられている。
世界宣教は、いつの時代も教会の大切な使命である。復活の主は弟子たちに「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」マルコ16:15と命じた。その言葉をまともに聞いた弟子たちは、「出かけて行って、至るところで宣教した。」マルコ16:20。私たちが主を信じることができたのも、世界宣教の使命に燃やされた宣教師の働きに負うところが大きかった。「宣べ伝る人がなければ、どうして聞くことができよう。」ローマ10:14と語られたように、いつの時代も「宣べ伝る人」が必要である。
そして福音が語られる所には、「それに伴うしるし」マルコ16:20が現れる。宣教師は聖書を翻訳し、伝道し、教会を建てたが、それだけではなかった。宣教師が福音を伝えた時、教育・医療・福祉というものが一緒に来た。学校を建て、幼稚園を建て、女性たちが生活していく職業訓練の施設を建て、病院を建てた。そして後に、教育・医療・福祉という分野において、教会がこのしるしとなる働きを担っていった。神の愛の言葉は、愛の業と一つになって、説得力のある言葉として伝えられてきた。
日本バプテスト連盟の世界伝道は、派遣先の祈りや要請に仕えることを第一としてなされ、しかも「和解の福音に仕える」ことを大切にしている。インドネシアに派遣されている野口日宇満・佳奈宣教師は、神学校と教会に仕え、伝道者の育成に励んでいる。国際ミッション・ボランティアの佐々木和之さんは、ルワンダの大学で平和を担う若者を育て、恵さんは、和解と共生のためにツチ、フツの女性たちと「ウムチョ・ニャンザストア」を運営し、そこで生まれた素敵な製品をネットでも販売して、女性たちの自立支援に役立てている。私たちが伝道に励んでいく中で、必ずしるしが与えられ、主が生きておられることを人々も知ることができるだろう。