Day: 2020年9月12日

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あなたの未来には希望がある

今、「聖書日課」を通して、エレミヤ書を学んでいる。エレミヤは祭司の子として生まれ、紀元前627年から約45年間、活動を続けた預言者であった。その期間は、北王国を滅ぼしたアッシリヤの攻撃が南王国ユダに迫ってきた頃から、バビロンによって滅ぼされる時(前586)にまで及んでいる。つまりユダ王国がバビロン捕囚という破局に向かって進んでいた時代、まさに動乱の時代に神の言葉を語ることがエレミヤに託された使命であった。それ故に、背信の民である同胞から非難され、迫害され、投獄されるが、その同胞と共に運命を共有しようとした。エレミヤは「涙の預言者」と言われるほどに、悲しみを体験した預言者でもあった。

そのようなエレミヤが、祖国が滅ぼされ、多くの同胞が殺され、捕囚となった破局の只中で、希望を語ることさえ躊躇われる中で、「あなたの未来には希望がある」と宣言するのである。すべてを失って茫然とする人達に向けて、もはや生きる希望も未来もないと嘆き悲しむ人達の傍で、泣く声が聞こえるその只中で、「泣きやむがよい。目から涙をぬぐいなさい。あなたの苦しみは報いられると、主は言われる。あなたの未来には希望がある。」エレミヤ31:16-17(抜粋)と、神からの希望の言葉を伝えるのである。

しかし、その言葉は悲嘆にくれる人々には理解されなかった。エレミヤは激しい非難にさらされて孤立する。彼もまた苦悩に満ちて嘆き悲しみ、涙する。「泣くな。目から涙をぬぐえ。苦しみは報われる。希望はある。」という慰めは、誰よりもまずエレミヤその人をも励ます言葉であった。彼自身がこの言葉によって支えられ、未来に希望を抱いて立ち上っていればこそ、彼はこの言葉を人々に伝えずにはいられなかった。

エレミヤが生きたのは今から2600年前だが、その時代の人々と同じように、現代の私たちも、経済力や政治力、軍事力こそが要であると考えて、神によって生かされていることを自覚して慎み深く生き、お互いを大切にすることを疎んじて生きてはいないだろうか。人はとかく自らの力のみに依り頼み、それが危うくされると無力感にさいなまれ、希望を見失うのである。そうであればこそ、私たちは命の源である全能の神に揺るぎないご支配があることを心に刻み、「あなたの未来には希望がある」と告げる神に応えて、その責任を果たす者でありたい。「それ(知恵)を見いだすなら、確かに未来はある。あなたの希望が断たれることはない。」箴言24:14。畏れと慎みを知る真の知恵ある者には、未来があり、希望がある。その希望を抱いて生きていきたい。