非暴力こそ確かな平和の道

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沖縄は、戦後アメリカの統治下におかれ、基地を作るために米軍のブルドーザーで畑を潰され、家を焼かれ、強制的に土地を奪われた。それに抵抗し、「土地を返せ、戦争の準備をするための基地はいらない」と、農民たちの先頭に立って、徹底して非暴力で闘ったのが阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)氏である。阿波根氏は、「命どぅ宝」と平和を訴え、伊江島に反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」を作り、2002 年に101歳で亡くなった。彼の遺志は、今も沖縄の平和運動に引き継がれている。

(1)会談の時は、何も持たないで、座って話すこと

(2)耳より上に手をあげず、大きな声を出さず、静かに話すこと

(3)悪口、ウソを言わず、道理を通して訴えること

この阿波根氏の言葉は、敵対者であっても話し合いで解決することを導き出す。

「基地を持つ国は基地で滅び、核を持つ国は核で滅ぶ」「基地は自分の国にもってかえりなさい、他人の国に基地をおいて戦争の準備をしていると、戦前の日本みたいに滅んでしまうよ、やめなさい」と、阿波根氏は何より相手のことを考えて闘った。「汝の敵を愛しなさい」との主の言葉に従って、「本質的には敵などいないのだ。いかなる人にも気持ちは通ずるのだ。未来を見つめ、実現するまで諦めず、話し合いを続け、いつかお互いが握手できるのだ」と、阿波根氏はキリスト者として信仰の確信から行動した。

今月10日から日本政府は辺野古の軟弱地盤がある大浦湾側の工事に着手した。工事に反対する沖縄県は対話を政府に申し入れるが、一向に対話に応じる気配はない。玉木知事は「岸田首相の言う丁寧な説明とは到底真逆の極めて粗雑な対応だ」と非難する。辺野古の住民が「この国に地方自治はないのか」と怒るのも無理はない。「お上に従え」と言わんばかりの政府のやり方に、沖縄の県民は諦めないで忍耐強く対話で応じようとする。そこには、阿波根氏の非暴力、対話の精神が生きている。

理解し合うためには、どれだけ遠い道であったとしても、平和的に、話し合いに徹する以外に近道はない。私たちが生きている間に基地問題や公平な社会の実現は無理かもしれない。だとしても一歩でも前に進んで、後に託していくしか道はない。阿波根氏の非暴力こそ、私たちも学ぶべきではないか。「汝の敵を愛しなさい」という主の言葉を終生貫いて生きた阿波根氏の足跡を、3月の沖縄フィールドツアーで辿ることになった。非暴力こそ確かな平和の道であることを再確認したい。