明日、日本バプテスト連盟が結成されて70周年を迎える。E.B.ドージャー宣教師の呼びかけにより、1947年4月3日、西南学院教会で日本バプテスト連盟の結成総会が開かれた。参加したのは、日本基督教団から離脱した旧西部組合系の16教会であった。旧西部組合系とは、1889年に米国南部バプテスト連盟国外伝道局(SBC)が、マッコーラム、ブランソン二組の宣教師を派遣、これらの宣教師の働きによって、九州を中心に伝道が始まり、1903年に「西部組合」が結成されたが、第二次世界大戦直前に、日本基督教団に合同し、国家総動員による戦争協力体制を担った。
連盟が結成された時の模様が、今月のバプテスト誌の表紙に、「当時は食糧事情がひっ迫していたため、遠方からの参加者は各自米を持参し、西南学院教会や福岡教会の会員宅に数名ずつ分宿した。ガリ版刷りプログラムの裏面に尾崎主一牧師の筆跡で“3日am9祈祷会、バプテスト結成決す30名出席、手をつないで祈祷”の書き込みが見える」と記されていた。SBCの兄弟姉妹は、敗戦後の日本の復興のために祈り、多くの宣教師を派遣し、教会形成のために多額の献金を送ってくださった。これらの祈りと、人的・物的・経済的支援を受け、連盟の開拓伝道は力強く推進されていく。連盟は「全日本にキリストの光を」のスローガンを掲げ、まず県庁所在地に伝道所を開設し、その教会が拠点となって周辺都市に伝道を広げる開拓伝道に取り組んでいった。
1955年には、当時米軍の統治下にあった沖縄に「国外」宣教師を派遣し、1965年にはブラジルに宣教師を派遣するなど、国外伝道も連盟の協力伝道の大きな柱として進められてきた。現在までに、インドネシア、タイ、シンガポール、カンボジアに宣教師を、またルワンダには、ミッションボランティアを派遣している。
1970年代、教会の存在意義・宣教を問う教会闘争が起こった。そのような中で、世界で苦悩する人々と共にキリストの福音に生きるための種々の活動が行われるようになり、現在では靖国神社問題、日韓・在日連帯問題、公害問題、部落問題、「障害」者と教会、ホームレス支援、性差別問題の特別委員会が活動している。
現在、全国285の教会、38の伝道所が加盟し、協力伝道を進めている。各個教会は、それぞれ自主・独立だが、バプテストの群れに連なる兄弟姉妹として互いに協力し、励まし合って、一つの教会では出来ない協力伝道を推進している。上尾教会も「自立と協力」に基づくバプテスト教会の形成、協力伝道に取り組んでいきたい。