先日「式文を用いた教会形成研修会」に出席して、豊かな礼拝を目指していくために何が必要か、よい学びの機会となった。バプテストの礼拝の特徴は、「自由」と「出席者による主体的形成」であると言われる。祈りは自由であり、礼拝形式も伝統型であったり、現代型であったり、教会が独自に選び取っている。さしずめ上尾教会は、プレイズソングを歌ったり、様々な視聴覚も取り入れているので、混合型と言えよう。
自由祈祷には、各自の思いが込められていて良い面と、訓練なしに行うと、主観的になり、紋切型で内容の乏しいものになりやすい。講師の松見俊先生から、「バプテスト教会では、よく奉仕や祈りなどを依頼するが、その為の訓練や教育をしているか」と問われた。そう言われてみると、最初だけで、任せっきりにしてしていることが何と多いことか。礼拝における祈祷の吟味を、牧師と信徒が協働してする必要がある。
松見先生から、バプテスマや主の晩餐では「式文」を作成して、牧師と信徒が協働してきた経験を伺った。「牧師は全部自分でやろうとします。ですから、式の意味の説明はなし。教会もいわゆる“礼典”を牧師に委託するとは言っても、内容は“丸投げ”です。式文があれば、信徒たちが働きを分担する可能性が開けてきます。バプテスマ式の式辞、聖書朗読、祈祷など、その式文に沿って、執事に担当して頂き、私は“父と子と聖霊によってあなたにバプテスマを授けます”ザブ~ンだけの担当です。主の晩餐式も牧師だけが晩餐卓に立ち、司式を独占します。祈祷式文があれば、晩餐式の形態も含めて、牧師と信徒が協働するというバプテスト的な改革の余地が広がってくると思います。」
宣教研究所では、4年の歳月をかけて、「バプテスト教会において豊かな式を形作る言葉と祈りのためにー視点と参考例」(式文)を作成した。礼拝・礼典だけではなく、様々な式典も含まれているが、時代の変化に伴って、「動物の埋葬の祈り」「離婚式」「教会解散式」「牧師退任感謝式」といった項目もあった。バプテストは各個教会主義なので、定まった式文をもたないが、宣教研究所が「式文」を提案したことによって、諸教会が「式文」を教会員みんなで考え、「オリジナル式文」を作ることが期待されている。
上尾教会では、宣教研究所が作成した「式文」を基に、豊かな礼拝を目指して、これから時間をかけて一つ一つのことを吟味していきたい。牧師と信徒が協働して礼拝を捧げていくために、「礼拝の流れ」「開会の祈り」「献金の祈り」「会衆賛美」「信徒説教」など・・多くの課題が与えられている。学び合って、よりよいものを築きたい。