昨年の「連合結成50周年大会」では、諸教会が直面する課題と、連合の協力伝道に期待する声をたくさん伺うことができた。今日、少子高齢化が進む中で、「子どもがいない」「青年がいない」「担い手がいない」・・など、諸教会は厳しい状況に置かれている。もはや一教会の努力では、これらの課題に向き合うことさえ、困難な時代を迎えていると言える。
そこで、今日の教会の課題に応えていく目的で、「第6回新しい教会フォーラム」を10月5日に西川口教会で開催することになった。「信仰継承」「教会復興」「開拓伝道」「人づくり」について、連合としてどのような協力伝道ができるのか、具体的に提案し、皆さんからの率直な意見を聞きたいと願っているので、是非、参加してほしい。
今日、連盟も含めてキリスト教会では盛んに「パラダイムシフト」という言葉が使われている。パラダイムシフトとは、厳密な定義はないが、「発想の転換」や「見方を変える」「固定観念を捨てる」「常識を疑う」などから始まり「斬新なアイディアにより時代が大きく動くこと」まで、さまざまな意味で使われている。教会も今までの宣教のあり方では、今日の時代に対応できないところに来ているからである。
『キリスト教会のパラダイムシフト』(柴田初男著)という文章にこう記されていた。“教会は、建てられた地域において、「地の塩・世の光」となるように召されている。そして、「ローザンヌ誓約」以後に示された宣教観、教会観によれば、それぞれの地域に神によって派遣された宣教の民である教会が果たすべき務めとは、「言葉による伝道」のみではない。「行為・良き業」によってなされる「社会的責任」を遂行することにより、この世に和解と正義と平和をもたらすと共に、「地域に仕え、隣人と共に生きる教会」へとパラダイムシフトして行くことが必要であると言われている。すなわち、従来の「伝道のみ」という宣教観から脱皮して、より全人格的・包括的な宣教理解に立ち、地域に仕え、地域と共に生きる教会へとパラダイムシフトして行くことが、今求められていると言える。”
上尾教会も三井住宅に会堂が建って20年、地域の方々との交流によって、皆さんが教会に何を期待しているかが、少しずつ見えてきた。教会が何かあった時の居場所になって欲しい・・・それが災害時の避難所であったり、様々な病や重荷を負う自分や家族の悩みを降ろす場であったり、悲嘆に寄り添う慰め場であったり。教会がそんな居場所になれるように、日頃から隣人の声を聞き、地域と共に生きたい。