福音を告げ知らせる

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ホテルや病院の一室においてある聖書を目にしたことがあるのではないか。あれは、ギデオン協会から贈られたものである。旅行く人に、病気を患う人に、聖書を生きる糧にしてほしい思いからである。そして、中学校や高校の門の前でも聖書を配布している。ギデオン協会の会員として活動している笹川さんもその一人で、近くの学校に配布しているが、「今の生徒はなかなか聖書を受け取ってくれなかったり、学校も配布することに理解を示さなかったり、配布することも大変です。」と感想を述べていた。

しかし、若者への伝道はいつの時代も大切である。配布された一冊の聖書を手にして、信仰に導かれ、信徒として忠実に仕えている人、又、献身して牧師になった人も多い。信仰に導かれる世代は、10代がもっとも多い。それは、心が柔軟で福音を受け入れやすく、又、何のために生きるのか、真剣に人生について探究する年頃でもある。そして、自分の生涯を主のために用いるだけの時間的な余裕もある。献身者としてよい働きをしている人も、10代、20代で献身に導かれた人が多い。

「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。苦しみの日々が来ないうちに。『年を重ねることに喜びはない』と言う年齢にならないうちに。」コヘレト12:1。老いていくと、「苦しみの日々」が増えていき、「喜びはない」と悲観的になりやすい。しかし、「青春の日々」には、冒険を恐れず、自分が正しいと思うことに進んでいくことができる。主を信じる素早い決断力は若者の特権であり、それは創造主なる神から与えられた賜物である。その賜物を主に感謝し、神と隣人とのために用いることが大切である

若者を教会に迎えるために必要なことは何か。若者に魅力を感じさせる様々な取り組みも必要であるが、それだけでは教会はただ楽しいだけの場所で終わってしまう。上尾教会のホームページを作成してくださった小牧さんが、「若者が教会に求めているのは、音楽でも交流でもなく、福音の神髄です。」と言われたが、本当に必要なことは、主の十字架と復活、罪の赦しと永遠の命、この福音を告げ知らせることである。

私たちも日々の生活の中で、福音の神髄を聖書から伝えているだろうか。それは、やみくもに聖書の御言葉を伝えるということではない。「御言葉を宣べ伝えなさい。折が良くても悪くても励みなさい。とがめ、戒め、励ましなさい。忍耐強く、十分に教えるのです。」Ⅱテモテ4:2。相手の助けとなる御言葉を伝えることである。ギデオン協会の聖書に「おりにかなう助け」として引用されている御言葉を参考にしたいものである。