日本バプテスト連盟には現在三つの神学校がある。教派神学校である西南学院大学神学部、そして、3地方連合立(北関東・東京・神奈川)の東京バプテスト神学校、また、九州4地方連合の支援による九州バプテスト神学校である。神学校週間に捧げられる神学校献金は、上尾教会の場合は、全国壮年連合を通して、この三つの神学校で学ぶ神学生の奨学金と、東京バプテスト神学校の運営費して用いられる。
現在、牧師の高齢化と共に、無牧師の教会が30近くあり、伝道者養成は益々重要になってきているが、神学生の減少は著しい。西南学院大学神学部の入学者は2年連続ゼロという現状である。その理由は、献身者を生み出す諸教会の力が弱くなってきていること、又、牧師をフルタイムで支えることができる教会が減少し、退路を断ってまで献身しようという決断に至らないケースが増えてきていることが考えられる。このままでいくと、「牧師」という職業は、消えていくのでないかと心配される。
しかし、御言葉を解き明かして、信徒を整えて奉仕ができるように助け、キリストの体である教会を造り上げるために、牧師の働きは、いつの時代にも重要である。「誰を遣わすべきか。誰が我々に代わって行くだろうか。」との主の声を聞いて、イザヤのように、「わたしがここにおります。わたしを遣わしてください。」イザヤ6:8と応答して、神学校に行く方が一人でも多く起こされることを期待したい。それは、牧師としての召しを受けた人だけではない。東京バプテスト神学校では、伝道者の養成だけではなく、信徒リーダーの養成も行っている。今日の教会は、多様な働き人を求めている。教会音楽や教会教育のリーダーが養成されることによって、豊かな礼拝や教会学校が造り上げられていく。神学校は牧師になる人が入るところだと思い込んでいる人が多いが、教会に仕える人であれば、誰でも神学校で学ぶことができる。そして、その学びを通して、主の働き人としての召しを頂く人も起こされるに違いない。
今年は、コロナ感染症の影響で、神学校もオンライン授業が主流となり、家庭だけではなく、教会でも学べる。神学校に行く時代から、神学校が教会に来る時代になった。東京バプテスト神学校「夏期公開講座」は8月13~14日、上尾教会ではオンラインで受講する。テーマは「現代に創世記をどう読むか」、講師は、旧約学が専門の月本昭男先生である。神学校と神学生を支えるだけではなく、自ら神学校で学び、それを教会を造り上げるために、用いて頂きたいと願っている。