成長させてくださる神

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成長させてくださる神

最近、嬉しいことがあった。神学校の公開講座を受けた際、ズームの画面に40年前に室蘭教会で一緒に教会生活を送った壮年が映っていた。彼いわく「定年になるにあたって聖書や教会音楽の学びをしたくなったので、信徒養成コースに入学しました。」と、70を過ぎても主に仕えていきたいという信仰の姿勢に感動した。又、連合小羊集会では、室蘭教会に両親と来ていた幼児が、今は母親となり、筑波教会員になって親子で参加していたこと、又、上尾教会から送り出した青年が、やはり筑波教会員になって親子で参加していたこと・・嬉しい再会のひと時となった。

そして、改めて「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。ですから、大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。」Ⅰコリント3:6-7という御言葉を思い出した。コリントの教会は、パウロの伝道によって出来た教会で、パウロは、一生懸命、御言葉によって信徒の信仰を整えていった。パウロがコリントを去ったあとは、アポロがやってきて、御言葉によって、教会を指導していった。私たちの信仰は自然に育っていくものではなく、やはりパウロやアポロのように養い育ててくれる人が必要である。

しかし、思い通りにいくかというと、むしろ、思い通りにはいかないことの方が多いのではないか。時には、信じられないような出来事が起こり、また考えたくないような出来事も起こる。ここには命の神秘がある。命の神秘は私たち人間にはどうすることもできない領域である。だからパウロは、成長するためには神の働きが必要であることを教えるために、「成長させてくださるのは神です。」と言ったのである。神は、人間に命の息を吹き入れ、日々の生活を養い、成長させてくださる。

「成長させてくださるのは神です。」この御言葉を聴く時、私たちは自分の力に頼らず、神に委ねて生きることができる。私たちの命は、自分のものではなく、神から与えられた命だからこそ、神によって愛されて、成長させられている。だからこそ、私たちは神から与えられた自分の命も、隣人の命も、この世界に創られた全ての命も、慈しみ、大切にすることができる。「成長させてくださるのは神です。」この御言葉にどれほど救われ、支えられてきたことだろうか。子どもも大人も神の御前で「共に育てられる」ことを見い出していく時、豊かな礼拝が、豊かな信仰が、豊かな教会が生まれ、又、何十年か後に再会した時も、お互いの成長した姿を喜び合えるのである。