幻を抱いて歩もう!

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上尾教会にとって、今年開拓50周年を迎えた。『伝道40周年記念誌』に、当時の模様を下記のように記している。

『上尾の開拓伝道は、西川口教会員であった大原つゆ子姉が上尾市に引っ越したことによって始まりました。開拓伝道を考えていた西川口教会は、「核になる信徒のいる上尾が適任地ではないか。」ということで、1970年12月6日、臨時総会において、「上尾開拓伝道」を決議したのです。当時西川口教会は、教会員31名の群れで、「まったく、あのときは伝道所と心中するような気持ちだった。」と教会員が語ってくださったように、背水の陣を敷いて開拓伝道を決断してくださったのです。

1971年1月11日から1972年までは、上尾市上の大原姉宅で集会を開き、72年からは人の集まりやすい寿幼稚園舎へ、73年からは大原姉が開設する天使保育室での集会になりました。井置利男牧師が日曜日の午後に出張をして、聖書の集まりを開くかたちを取りました。集会場所を転々とする度に、求道者はゼロになる繰り返しでした。』

上尾開拓を振り返る時、使徒言行録16章に登場するリディアという婦人を思い出す。ある夜、パウロは幻を見た。その中に一人のマケドニア人が現れて、「マケドニア州に渡って来て、私たちを助けてください。」と願った。そこで、パウロ一行はトロアス港から海を渡り、マケドニア州第一の都市フィリピに滞在した。祈りの場所で語っていると、ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアも話を聞いていた。主が彼女の心を開かれたので、彼女も家族もバプテスマを受けた。「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください。」と言って、パウロ一行を迎えて、福音を詳しく聞いた。この家が、ヨーロッパで最初の教会となった。

人材も財政も会堂も整ったから、開拓伝道が始まるのではない。ただ幻に導かれて、ひたすら神に拠り頼んで伝道の業に励んだからこそ、教会が生み出されていくのである。今日、「開拓伝道」は死語になるほど、新たな教会を生み出すことは困難な時代である。しかし、「マケドニア人の叫び」は、今も聞こえてこないだろうか。どんな大教会も始まった時は、幻に導かれた一握りの人であった。大切ことは、教会がいつの時代も幻を抱いて歩むことである。「幻のない民は滅びる。」箴言29:18(欽定訳)