今日、緊急事態宣言が解除されたことで、久しぶりに礼拝を一緒に捧げてくださる方がいることは嬉しい。折しも今日は、「一同が一つに集まっている」と言われた「ペンテコステ(聖霊降臨日)」を迎えた。「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」使徒言行録2:1-4。
ペンテコステの日に弟子たちが集まっているところに、「風が吹いて来るような音」がしたと言う。この風とは「息」という意味の言葉である。まさに神の息吹が吹いてきた。更に「炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった」と言う。この舌とは、「言葉」という意味である。だから熱い言葉が一人一人の上にとどまって、神の息で満たされた。これが聖霊である。つまり聖霊は、神の言葉と共に働く。更にその言葉は、弟子たちの心を熱くして、他者にその言葉を伝えようとする宣教の思いを起こした。ここから教会が誕生したのである。この信仰の喜びを語り出すところに教会が形作られ、私たちも聖霊に満たされ、主の証人として力強く歩めるのである。
緊急事態宣言は解除されたといえ、新型コロナウイルスは、私たちの社会に「不安と失望」という暗い影を落としている。感染の恐怖と、それによる経済の停滞は生活不安を招いている。長く続くコロナ禍がストレスとなり、家庭不和や家庭内暴力という更なる不安を生じさせている。このような不安や失望の只中にあっても、神は聖霊降臨によって、「平安と希望」をもって生きる秘訣を「言葉と業」で示してくださった。
復活の主が弟子たちに現れた時、「聖霊を受けなさい。」ヨハネ20:22と彼らに息を吹きかけて言われ、又、「父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。」ヨハネ14:16と言われた。主は永遠に私たちと一緒にいてくださることを確かなものとするために、「弁護者」である聖霊を送ってくださると約束してくださった。この聖霊は、私たちの新たな日常に「平安と希望」を与えてくださる。そして、この聖霊の力にあずかる時、共に励まし支え合いながら、不安と失望の暗闇をくぐり抜けて行けるようにしてくださる。聖霊が降臨したことに、心から感謝したい。
「希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」ローマ5:5。