平和は身近なところから            教会員

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8月「平和月間」を迎える度に、78年前の戦争で犠牲になった人々を思い、今も懲りずに戦争をしている国を覚え、日本の南西諸島の公道を戦車が走っている現実に驚愕する。世界から愚かな争いはなぜなくならないのか、改めて考えてみる。私たちの心の内には、相手を一方的な偏った見方で見る偏見があることに気づく。その考え方に固執すると、自分の正しさばかりに目が行き、相手を対等な存在として受け入れられなくなる。それが国と国になると戦争になってしまうのではないのか。戦争の背後には偏見、差別、不平等があるように思う。

東京バプテスト神学校の夏期公開講座の主題は「LGBTとジェンダーとキリスト教」だった。講師は平良愛香先生。LGBTの当事者でもある先生は自分の歩みを語ってくださり、これまで教会、キリスト教、ともに偏見をもって接してきた歴史があると話された。(今でもある)聖書解釈を批判的に受け止めずに、偏った解釈で読むと、それによって苦しむ人々がいること。人間は男と女だけに簡単に分けられないこと。生物学的分類だけでは測れない性自認の問題がある。圧倒的に異性愛者が多い社会にあってはLGBTの人たちは少数者である。少数者は偏見の目で見られやすい。私自身の中にも様々な偏見の思いがあることに気づかされる。私たちは皆、神様の作品であって、聖書は互いに愛し合いなさいと教えている。互いの存在を認め合うこと。個々人の好き嫌いとか偏見を超えて互いの理解を深めるように努力することを神様は望んでおられるように思う。

私たちの教会の2023年度の主題は、「一人ひとりを喜び、共に生きる教会」である。一人ひとりがその人らしく生きる、生かされる教会でありたい。そのためには互いの存在に向き合うこと。また、対話が重要である。9月から礼拝が一つになり、分級も始まる。8月の教育委員会で、分級のメンバーは当日のくじで決めることにした。誰とでもメンバーになり、み言葉を分かち合い、対話をしていくことを確認した。偏見や誤解のないところに愛が生まれる。愛のあるところに平和はあると信じる。世界が平和であるためには身近な自分から始めよう!

「愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。」ヨハネの手紙一 4章7節