「平和」を辞書で調べてみた。「戦争や紛争がなく世の中が穏やかな状態であること」とある。なるほど敗戦から76年間、この国は戦争をしない約束を守ってきた。でも、戦争のない平和なはずのこの国に暮らしている私たちは、果たして穏やかに過ごしているのだろうか。もう少し突っ込んでみようと思い「平」と「和」に分解してみた。
「平」→たくさんの解説の中で「偏りがない、傾斜がない」というのが目に止まった。
「和」→これもたくさんの意味があったが「性質の違うものが一緒に溶けあう」というのは興味深く感じた。
そして、両方の字に共通していた意味は「穏やか」だった。少しずつ私の中で漠然としていた「平和」の輪郭が見えてきた気がした。
神様は誰一人として同じ人間はお造りにならない。何十億という人間はみんなオンリーワンだ。もっと言うなら人類が始まって以来、誰かのリメイクだった人なんて一人もいない。それだけでも今在る命には必ず意味があると思わずにはいられないのだが、そんな膨大な数の性質の違う人間、命を神様は地球という一つの星で一緒に生きるようにと送り続けておられる。私の小さな頭では、そんなにたくさんの違う者同士が一緒になったらそりゃいざこざも起こるでしょ、と思うのだが、なんせ人知を遥かに超えた神様のなさること。神様ブランドのオンリーワンの命たちが送られる先の民族の持つ歴史や慣習はそれぞれ、肌の色も目の色も髪の毛の色もそれぞれ、思考が似ている人もいれば違う人もいる。また、一人ひとり神様からプレゼントされている得意な事もいろいろだ。勉強だったり運動だったり、音楽や美術、料理や掃除、ダンスやお笑い…挙げたらキリがない。そしてお金をたくさん持っているとかいないとか、住む家があるとか無いとか、心身の病気や障害があるとか無いとか、ありとあらゆる違いを持ったオンリーワンたちが偏らないで混ざり合いながら、時に混ざり合うことでその命はもっともっと豊かに生きる。神様はそう期待し続けておられるのではないだろうか。偏りがなく性質の違うものが一緒に溶けあう、そんな「平和」が人々の間を川のように尽きることなく流れて命を成長させてくれますように。
「平和、川のように 心に」