小さなことから一歩ずつ

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毎年上尾教会では、10月16日の「世界食料デー」の働きを礼拝の中で覚え、祈りを捧げ、献金を「日本国際飢餓対策機構」に送っている。世界の死亡原因の第一位は何か。それは「飢餓」である。世界の人口は来月で80億人になると予測されているが、その内8億人が飢餓で苦しむ。それは世界の人口の10人に1人に当たる。又、食料が不足して人口は、23億人に達し、コロナ前より3億5千万人も増えた。

その原因は、穀物が不足しているからではない。世界では、穀物だけでも世界中の人が生きでいくのに必要な量の倍近く生産されている。それなのに世界の飢餓人口は減るどころか増え続けている。それはなぜか。世界人口の18%が暮らす先進国の人々が、世界の穀物の39%を消費していると言われる。言い換えると、世界のおよそ5分の1の先進国の人々が、世界中の穀物の5分の2を消費していることになる。そして世界人口の5分の4が開発途上と言われる国に住み、世界の5分の3の穀物で暮らしている。今、アフリカ東部では、干ばつによって作物の収穫が少なく、深刻な食糧難に陥っている。とりわけ子どもの栄養不足は深刻である。

飢餓の原因は、食料不足ではなく、気候変動や環境問題、戦争や内戦、コロナや疫病等と言われている。ロシアのウクライナ侵攻が、穀物不足を招いている。飢餓の原因の根底には、人間の貪欲さがある。ボンヘッファーは、「誰かが自分のパンを自分のためにだけ取っておこうとする時に、初めて飢えが始まる。これは不思議な神の掟である」と警告を鳴らす。飢餓状態にある子どもの80%は、食糧を生産している国の子どもたちである。輸出用の食糧を生産している隣りで、食べることすらままならない状態で毎日飢えをしのいでいる子どもたちが大勢いることに心を向けたい

日本国際飢餓対策機構の標語に、「小さなことから一歩ずつ」とあった。そのために私たちにできることは何か。それは「食べ残しをしない。世界のことを知る。小さなアクションをする」ことである。日本では、「食品ロス」の量は年間522万トン、日本の人口1人当たり毎日おにぎり1個を捨てている計算になる。愛は、相手に関心をもつことから始まる。すると「主の祈りも、飢餓で一人も命を失うことがないように、「我らの日々の糧を今日も与えたまえ」という思いを込めて捧げるだろう。私たちは、自分に与えられたパンを、自分のためにだけ取っておこうとするのではなく、他者のために用いていきたい。「受けるよりは与える方が幸いである」使徒言行録20:35