協力伝道の豊かさに感謝!

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昨年10月に開かれた「連合結成50周年大会」の分科会で諸教会の課題を分かち合う時を持った。秋山純子さん(妻)は、上尾教会は9月の台風24号で牧師館の屋根が飛んで、その修理のために多額の費用がかかることが大きな課題だと分かち合ったところ、同じ分科会に出席していた連合会計の安藤正さんから「連合のきたかん2号ファンドに該当するので、申請を出してみてはいかがですか。」と勧められたそうだ。家に帰って、妻からその話を聞いたのだが、私は「上尾教会ぐらいの規模の教会は連合の支援に頼るのは申し訳ない。」と取り合わなかった。しかし、その後に開かれた連合委員長会議で安藤さんから、「上尾教会の牧師館屋根の修理代は該当するので、遠慮しないで申請してください。」と勧められた。確かに、「きたかん2号ファンド」の適用範囲に「事故・災害等、教会の施設、牧師館被災の復旧費支援。天変地異、第三者加害、過失による被災にかかわらず支援する。」とある。そこで執事会に諮り、「できる限りのご支援をして頂けましたら幸いです。」と、支援希望額は書かずに、申請書を提出した。

そして、連合役員会、連合委員長会議、最後に連合総会に諮られて、上尾教会への支援が承認された。その支援額は、なんと屋根修理代約138万円の内、保険会社から下りた約42万円を除いた自己負担額約96万円の全額を支援するとの決定であった。きたかん2号ファンドは潤沢に資金の積み立てがあるわけではない。それにも関わらず、190万円の積み立ての中から、その半分以上の支援金96万円を先週上尾教会の口座に振り込んでくださった。上尾教会が牧師館を買ってリフォームしたばかりのところに屋根が飛んで大変だと聞きつけた諸教会は、尊い献金で積み立てた「きたかん2号ファンド」を惜しみなく上尾教会のために捧げてくださったのである。

私は、マケドニア諸教会を思い出した。エルサレム教会の苦境を聞いたマケドニア諸教会はどうしたか。「彼らは苦しみによる激しい試練を受けていたのに、その満ち満ちた喜びと極度の貧しさがあふれ出て、人に惜しまず施す豊かさとなったということです。」Ⅱコリント8:2。マケドニア諸教会の人々は、苦しみを伴う激しい試みに遭い、極度に貧しくなっていた。しかし、その苦しみや貧しさの中で、「喜びが満ち満ちて」「人に惜しまず施すことができる豊かさ」に生きたのである。協力伝道とは、自分が富んでいるからできるのではない。むしろ、自ら痛みを負いながらも、他者の痛みを負う生き方である。協力伝道の豊かさに与った上尾教会も、その生き方に倣いたいものである。