一番大切な、時、人、事        教会員

Home / 週報巻頭言 / 一番大切な、時、人、事        教会員

この季節、毎年読む「神の同労者」。スチュワードシップについて時間、からだ、賜物などの側面から書かれていますが、今年はそのスチュワードシップについて、私にわかりやすく理解させてくれたお話を紹介します。

ある国の皇帝は知恵を求めていました。「人間にとって一番大切な時とはいつか、一番大切な人は誰か、一番大切な事とは何か」を知りたいと思っていたのです。側近や学者は様々なことを言いました。時について大切なのはスケジュールをたて時間管理をすることだ、いや臨機応変な態度だ、とか。大切にするべき人は僧侶だとか、官僚だとか、兵士だとか。大切な事は科学の追求だ、いや宗教だ、軍事だ、と皆が違うことを言いますが、どれも皇帝の腑に落ちません。皇帝は山に住む仙人に聞きに行くことにし、朝早く出発しました。仙人のもとに着くと皇帝は一番大切な時、人、事は何かと尋ねますが、仙人はそれには答えず、ひたすら彼の庭を掘り返して耕していました。皇帝は早く答えを聞いて自分の仕事に戻りたかったのですが、庭を耕す作業は目の前の年老いた仙人にはとても重労働に見えたので、答えを待ちながら自分も一緒に庭を掘り始めました。そして夕暮れになってしまったのです。

答えをもらうことはあきらめかけたその時、一人の男が全身に傷を負って血だらけの姿で逃げるようにしてその庭に倒れこんできたのです。皇帝は仙人に指示を仰ぎながら男の傷を洗い、薬を塗り、清潔な着物を着せ、仙人の作った温かい飲み物を男が飲むのを手伝いました。すると男が急に涙を流してこう言ったのです。「私はあなたが誰かを知っています。皇帝陛下。私はあなたを殺すため遣わされ、あなたがここから帰るときにそれを実行するつもりでした。でも何者かに襲われ、逃げてここまで来ました。このような者に陛下は親切にしてくださいました。あなたを殺すことなどどうしてできましょう。」皇帝は痛手を負い、謝る男を裁く気になどなりませんでした。その時仙人が言いました「さて皇帝陛下、答えはすべて出そろいましたな。一番大切な時は“今”です。私を気遣い夕暮れまで庭掘りを手伝ったことが、あなたの命を救った。この男を介抱したことで男の殺意は消えた。あなたが影響を及ぼせるのは今という時だけです。一番大切な人は”目の前にいる人”です。私でありこの男だった。一番大切な事は“目の前にいる人を幸せにすること”です。」

書籍「神の同労者」の副題は“恵みへの応答”です。いつか私たちは神の恵みへの応答として天国で直接神に仕えますが、直接仕えない今この世で神に仕える方法は“人に仕えること”だと気づかされた物語です。「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」マタイ25:40