パンデミックの後の世界に期待したい

Home / 週報巻頭言 / パンデミックの後の世界に期待したい

イースターに毎年、献金を捧げてくださる従妹の手紙に、「この新型コロナウイルス感染症の災いを機に、人類として反省すべきを反省し、今一度大事なことは何なのかと改めて考える時なのではと思っています。」と記されていた。私も「アーメン」と思った。「今一度大事なことは何なのか」と深く考えさせられている。

今年の初めは、2020東京オリンピックの年として、個人消費、インバウンド需要が盛り上がり、株価は上昇し、景気は良くなると、日本政府も経済界ももくろんでいた。その上、原発の再稼働や沖縄の辺野古への新基地建設など、被災者や県民の声を無視して、人命よりも経済至上主義に走る姿が今に至るまである。東京新聞の『本音のコラム』で鎌田慧氏が、「今回のパンデミックは、物質主義への逆襲だったかもしれない。」と言ったが、それは宣教研究所の朴先生のウイルスが人間に向かって線を超えてきたのではなく、むしろ私たち人間が守らなければならない線を超えて、ウイルスを招いてしまったというのが、確かな事実です。そういう意味で、結局他者の不幸を餌食にして自分の幸福を追い求めてきた人間の自己中心的なライフスタイルが招いた結果が、他ならぬパンデミックなのです。」(宣研ニュースレター)という言葉にもつながるのではないか。

パンデミックは、人類の歴史の中でも何度となく起きてきた。14世紀の中頃、アジアからヨーロッパ全土を襲った黒死病(ペスト)は、ヨーロッパの全人口の4分の1から3分の1を死に至らしめたと言われる。半世紀にわたるペスト流行の後、ヨーロッパは、平和な時間を迎えたという。そうした中で、ヨーロッパはイタリアを中心にルネサンスを迎え、文化的復興を遂げる。これがペスト後のヨーロッパ世界であった。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが今後どのような世界を作り出すのか、現時点では誰も正確に予測することはできないだろう。しかしそれは14世紀のヨーロッパのペストのように、人間の生き方に変革を迫るものになる可能性がある。

左近豊先生は昨年、エレミヤ書を通して、神は御自分の愛するイスラエルの民を滅ぼし、破壊させたが、それは建て、植えるためであった、絶望の後に希望があると話された。それはバビロンに70年間捕囚され、苦しめられたイスラエルの民に対する神の素晴らしい約束に表れる。わたしは、あなたたちのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである。エレミヤ 29:11 。私たちもパンデミックの後の世界に期待したい。