オンライン礼拝からオンライン教会へ

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コロナ危機が2年近く続く中で、礼拝に対する考え方も大きく変わってきた。それは諸教会が従来の対面式礼拝だけではなく、オンライン礼拝を積極的に取り入れたことである。この流れは、コロナ後も更に進むだけではなく、オンライン教会(仮想空間教会)の出現まで起きてきている。しかし、そこには大きな問題点も含んでいる。東京地方連合の集会で講演してくださった石田学先生(小山ナザレン教会牧師)は、礼拝のオンライン化のメリットとデメリットについて下記のように語る。

メリットとしては、コロナ禍のためだけでなく、それまであまり意識してこなかった教会員、特に病気や身体的制約のために教会に集うことのできない人たちが、オンライン化することで礼拝に参加できるようになったことは事実であり、それは大きな収穫であった。オンライン化が教会に新たな伝道・牧会の可能性を拓いたことは間違いない。」

デメリットとしては、「画面に映るのは司式者と説教者だけということが大半である。参加者はむしろ観客に近い。その礼拝に、はたして教会の本質である共同体性は成り立つのか。共に賛美することは、付属的なものと見なされる。礼拝の中心は説教を聴くことだと考えるなら、オンラインによる説教者と視聴者の一対一で礼拝が成立することになる。オンラインによる礼拝配信は、礼拝とは説教のことだという印象を一段と強めることになる。」

ここに礼拝のオンライン化の大きな課題がある。もし、礼拝は「教会共同体が目に見える形で立ち現れる時」であるとするなら、オンラインで配信された礼拝は、あくまで共同体としての礼拝に参加できない場合の、一時的な代替措置であり補完的なものとの認識が、牧師にも信徒にも共有されていることが必要であると指摘する。

そして、「教会のオンライン化は避けられない未来の現実」であり、仮想空間教会のメリットとしては、「地球規模で参加・信仰的交わりが可能。無牧師・過疎地の教会への対応方法として有効。従来の教会に加わる可能性が低い人たちに開かれる可能性。」デメリットとしては、「ある程度の技術と知識、防御策が必要。仮想分身でどこまで共同体性を実感できるか不明。問題のある仮想教会・擬似教会が多数出現する可能性。」を挙げていた。世界規模で教会員が増えることは嬉しいが、会堂も掃除当番もいらない、汗も涙も流さなくてよい、これで主の体なる教会は形成されるのか、本当に心配である。先週アシュラムの来られた方が、「顔を合わせて、御言葉を聴き、祈り合えるアシュラムで、今は元気を頂いています。」と言われた。これに「アーメン」である