新型コロナウイルスの感染が拡大する中、医療従事者や感染者への偏見や差別が問題となっている。こうした中、日本赤十字社が「人と人が傷つけあう状況はウイルスよりも恐ろしい」と警鐘を鳴らす動画を公開した。新型コロナウイルスは、「体の感染症」「心の感染症」「社会の感染症」という3つの顔を持っており、これらが負のスパイラルとしてつながることで、感染拡大を引き起こすと考えられている。さらなる感染拡大の防止のために、絵本アニメで、下記の内容で動画を企画したとのことである。
ウイルスの次にやってくるもの。”それ”はもしかしたらウイルスよりも恐ろしいもの。
その正体とは…?そして、”それ”に飲み込まれる前に、できることとは…?
動画は、男性が手を洗うシーンから始まる。
「きちんと手を洗うだけで感染する確率はぐんと下がる」「でも心の中にひそんでいて、流れていかないものがある」といった言葉に合わせて、“黒いモヤモヤ”が現れる。
「ウイルスが広まったのはあいつのせいだ!」「世界がこうなったのはあいつのせいだ!」
人々が互いに言い争う内、自分が言われたらどうしようと、具合が悪くても元気なふりをし、誰が感染してるか分からなくなる。こうしてウイルスは広がっていく。
そんなとき、家で鏡を見ると、「そこに、もう、あなたは、いない」
そいつの名前は「恐怖」。“黒いモヤモヤ”の正体は「恐怖」だったのだ。
新型コロナウイルスの感染拡大から生じる「恐怖」を、「ウイルスよりも恐ろしいもの」として描き、体だけでなく心を守るように訴えかけている。
動画の後半には、「恐怖に飲み込まれる前にできること」として、以下のものを提案。
「ときにはパソコンやスマホを消して、暗いニュースばかりを見すぎるのはやめよう。不確かな情報を、うのみにしないで、立ち止まって考えよう。」
「非難や差別の根っこに、自分の過剰な防衛本能があることに気づこう。冷静に、客観的に、恐怖を知り、見つめれば、恐怖はうすれていくはずだ。」
「恐怖が苦手なものは、笑顔と日常だ。家族や友人と電話して、笑おう。いつものように、きちんと食べて、眠ろう。恐怖は逃げていくだろう。」
そして最後には「恐怖は、誰の心の中にもいる」「だから励ましあおう。応援しあおう」「人は団結すれば、恐怖よりも強く、賢い」といったメッセージを投げかけている。