ぼくらの世界~私から始めるアクション

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上尾教会では、「世界食料デー」の働きを礼拝の中で覚える。募金を送る「日本国際飢餓対策機構」の案内に、「ぼくらの世界では、今・・2020年以降のパンデミックにより、世界中で経済状況が悪化し、特に途上国の社会的・経済的に脆弱な状況下で暮らす人々は厳しい生活を強いられてきました。それに加えて、昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻は食料・肥料・燃料等の価格高騰を招き、世界の飢餓状況は更に深刻化しています。紛争や自然災害で深刻な食料不足に陥った人々は、2022年に過去最多となりました。」とあった。

世界の人口は80億人を超えたが、その内8億人が飢餓で苦しむ。それは世界の人口の10人に1人に当たる。又、食料が不足している人口は、23億人に達している。その原因は、穀物が不足しているからではない。世界では、穀物だけでも世界中の人が生きでいくのに必要な量の倍近く生産されている。それなのに世界の飢餓人口は減るどころか増え続けている。その原因は、気候変動や環境問題、戦争や内戦、コロナや疫病などと言われているが、飢餓の原因の根底には、人間の貪欲さがある。

神学者のボンヘッファーは、「誰かが自分のパンを自分のためにだけ取っておこうとする時に、初めて飢えが始まる。これは不思議な神の掟である。」と警告を鳴らす。飢餓状態にある子どもの80%は、食糧を生産している国の子どもたちである。輸出用の食糧を生産している隣りで、食べることすらままならない状態で毎日飢えをしのいでいる子どもたちが大勢いることに心を向けたい。日本国際飢餓対策機構の標語に、「私から始めるアクション」とあったが、そのために私たちにできることは何だろうか。

日本では、食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量が年間523万トン、日本の人口1人当たり毎日おにぎり1個を捨てている計算になる。又、世界の食料廃棄量は年間13億トンで、生産された食料のおおよそ3分の1を廃棄している。食料を大量に生産、輸入しているのに、その多くを捨てている現実がある。多くの食品ロスを発生させている一方で、7人に1人の子どもが貧困で食事に困っている。

「食品ロス」を減らすための小さな行動も、一人ひとりが取り組むことで、大きな削減につながる。例えば、買物時に「買いすぎない」、料理を作る際に「作りすぎない」、そして「食べ残さない」。愛は、相手に関心をもつことから始まる。私たちは、自分に与えられたパンを、自分のためにだけ取っておこうとするのではなく、他者のために用いていきたい。「受けるよりは与える方が幸いである」使徒言行録20:35