「バプテスト福祉デー」を迎えて

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本日、11月第二主日は、「バプテスト福祉デー」である。「バプテスト福祉デー」は、連盟総会で設置が決議されてから、今年で20年目を迎えたが、偏見や差別は解消されただろうか。「共に生きる」出会い・気付きそして発信!の中でこう記されていた。

1.相模原事件と優生思想・・・7月26日、相模原で19人が命を奪われ、26人が重軽傷を負うという戦後最大の悲惨な殺傷事件が起こりました。容疑者は、26歳で元施設職員。「障がい者は不幸を作ることしかできない」「障がい者は死んでくれた方がいい。家族のため、社会のため・・」信じられない言葉を語り、犯行内容を予告。まさに70年前のナチスドイツの障がい者虐殺(優生思想)を思い起こさせます。優生思想とは、「劣等な子孫の誕生を抑制し、優秀な子孫を増やすこと。障がいの有無や人種等を基準に人の優劣を定め、優秀な者にのみ価値がある」とする考え方です。優生思想は、特別な人だけが持つ価値観ではありません。「障がい」をマイナスと捉えたり、人に優劣をつける(価値ある者と価値なき者とにランク付けをする)考え方は、社会の中に未だ根強く存在する考え方であり、私たち自身の中にも潜んでいる価値観であることに気付くことが大切です。

2.無意識の排除や差別〈「合理的配慮」をしないことも差別〉・・・障害者権利条約が国連で採択、2014年1月に日本も批准しましたが、その条約の中で、障がいがある人たちが平等に生きていくための「合理的配慮」をしないことは差別であると謳われています。日本の法律もその条約に即した形で新たに作られました。聴覚や視力に障がいがある人、車いすの人、知的障がいがある人、自閉症の人等々、いろんな「障がい」がありますが、その「障がい」や「年齢」「価値観」等、個人によって必要な「配慮」も様々です。私たちは、気付かず結果的に排除してしまったり、差別してしまうことも多いのです。

4.おわりに・・・最後に、「私たちは『共に生きる』ことがわかっている人間で、わかってない人たちにいかに伝えるか」という考え方は、とても傲慢だと思います。むしろ、私たち自身も含めて、知らず知らずのうちに(無意識のうちに)他者を傷つけ、排除し、差別してしまう存在であるのだということに気付き、そういう自分と向き合うことが重要です。だからこそ、最も傷つき、痛みを受け、差別されている人たちの生の声を聞き、その「出会い」から「気付かされること」が出発なのです。2016年「バプテスト福祉デー」を迎えて、子どもも高齢者も障がいがある人もない人も、誰もが差別されず、「真に共に生きる」ことの意味を共に語り合い、議論できる時となることを願います。            (3.は省略)