母の日の最高のプレゼント

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信仰者は子供に何を遺したいと考えるか。内村鑑三は『後世への最大遺物』の中で、事業や財産を遺すことではなく、信仰を遺すこと(継承)こそ、勇ましく高尚な生涯を送ることだと語る。事業や財産は地上に宝を積むことにすぎないが、信仰は天に宝を積むことになり、永遠の命に至るからである。しかし、信仰を遺すことは、財産を遺すように簡単にはいかない。信仰の継承で苦闘している親の何と多いことか。

信仰を継承するためには、先ず「祈り」から始めることである。アウグスティヌスの母モニカは生ける神を見失って、放浪生活をしていた息子のために、「涙の子は亡びない」と毎日文字通り熱心に彼の名前を挙げてその救いを祈った。その祈りはやがて聞かれ、アウグスティヌスは回心するのである。「こんな人は絶対駄目だ、この人はとても無理だ」そう思ったら終わりである。人を救いへと導くのは、人間の努力ではない。全て神の恵みであり、神の選びに属することである。そうであればこそ、信仰の継承に当たり、私達は先ず主に祈って、神の恵みの力により頼もうではないか。

次に、信仰の継承のために、「主との出会いの機会」を一度でも多く作ることである。受浸される方の中に、「クリスチャンの母に連れられて礼拝に行ったことがあります」「子供の頃、近くの教会学校へ行ってました」「ミッションスクールに行ってました」という方が何と多いことか。すでに、幼少時代に主との出会いがあり、福音の種が撒かれていたのである。子供が、教会に行ったという経験は、いつか必ず実を結ぶことになる。ですから、主イエスは「子供たちを私の所へ来させなさい」マルコ10:14と礼拝へと招く。

パウロは弟子テモテの「その(純真な)信仰は、まずあなたの祖母ロイスと母エウニケに宿りましたが、それがあなたに宿っていると、私は確信しています。」Ⅱテモテ1:5と語る。テモテは祖母と母とによって育てられた三代目のクリスチャンである。この「宿っている」とは「委ねられたもの」を意味した。信仰は両親や兄弟姉妹、先輩から自分に委ねられたものである。その信仰のバトンを、今度は自分の子供や孫や全ての人に手渡す責任がある。もし、私達がこの責任を果たさなければ、その結果、ひどい損害をこうむるのは子供達であり、次の世代の人々である。本日の「母の日」、お母さんへプレゼントをしたいと願っている子供も多いだろう。そんな子供に向かって、「最高のプレゼントは、あなたが信仰をもって生きてくれることよ」と、ためらわずに勧めてみてはいかがだろうか。「世に打ち勝つ勝利、それは私達の信仰です。」Ⅰヨハネ5:4。