「世界食料デー」を迎えて

Home / 週報巻頭言 / 「世界食料デー」を迎えて

本日、「世界食料デー」を迎えた。世界では8億人が「飢餓状態」にあると言われ、毎年1,500万人が飢餓によって死ぬ。つまり1秒に1人の割合である。世界の飢餓問題について、一人一人が真剣に考え、行動することが求められている。「冷蔵庫の食べ物をよく見たら賞味期限切れで、もったいないと思ったけど捨てちゃった」ということがよくあるのではないか。日本ではまだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」が1年間に1,700万トン、それは世界の飢餓地域に届けられる食料支援400万トンの4.25倍にもなる。私たちの「食品ロス」を全て支援に回せば、全世界の飢えている人々を全て救うことができる。何としても「食品ロス」を減らすことである。

従来、飢餓問題は、開発途上国の問題だと考えられてきた。しかし、最近日本でも「子供の貧困」6人に1人の子供が貧困状態にあると言われる。貧困は自己責任ではない。世間では「貧困は親の努力不足」といった「自己責任」論がはびこっているが、シングルマザーの世帯では、約65%が年収200万円未満である。子供の貧困は、日本社会の構造的な問題が一番弱い立場の子供たちに投影されたものにすぎない。

こうした中、子供の貧困対策として注目を集めているのが「こども食堂」である。2013年、「こども食堂」の数はわずか21カ所だったが、その後3年間で300カ所以上に急増し、その数は更に増え続けている。この「こども食堂」には、経済的事情で十分な食事をとることができなかったり、親が働いていて一人で食事をしている子供たちが訪れている。そして、教会でも取り組んでいるところがあると聞く。

テレビで放映された沖縄のつきしろキリスト教会」では、毎週月曜~金曜まで、経済的に困窮する家庭を支援しようと、無料で食事を提供する「こども食堂」が開かれている。開設した砂川竜一牧師は、「困った時はお互いさま、ゆいまーる(「結びつき」「助け合い」を意味)の心だ。食堂に来ることは恥ずかしいことではない」と、広く利用を呼び掛ける。自身も母子家庭で育ち、貧しい幼少時代を送ったが、「ちゃんと両親がいても病気や失業で、すぐに貧困世帯になり得る。誰にでも起こり得る問題だ」と指摘する。

賀川豊彦は、貧民窟の中に飛び込んで、本当に悲惨な状態を目撃した。「清貧-清く貧しくと言われるが、貧しさそれ自体は美しくも何ともない。人を罪に追いやるからこそ、貧困はあってはならないのであり、それを許すような構造を変えなければならない」と言って、行動を起こした。私たちもキリスト者として、できることから始めていきたい。